ソーシャル・スタイル
人はそれぞれに言動上の特徴があります。大きな声をだして笑う人と静かに笑う人がいます。ゆっくりとした動作をする人と活発な動作をする人がいます。
人は習慣の動物です。私たちは、みな成長する過程で、それぞれに違った言動の特徴を身につけます。そのやり方で行動していれば、自然でいられる行動のスタイルです。互いに信頼できる関係にある人や親しい関係にある人とコミュニケーションをしているときは、人は自然なスタイルでいることができます。周りの人から見ると、人は一貫した言動をとることが経験的にもわかります。人が他者と落ち着いた状態でコミュニケーションするときの言動上の特徴はその人の安心領域であり、これをソーシャル スタイルと呼んでいます。
四つの前提
- 人の言動上の特徴を思考開放度と感情開放度を軸にして、大勢の人をあつめると平均的に分布する。
- ソーシャル・スタイルにはどのスタイルが優れているあるいは劣っているということはありません。
- 人は誰でも成長とともに獲得した自分の特徴的なソーシャル・スタイルをもっています。
- 自分のソーシャル・スタイルを知る最もよい方法は周りの人からのフィードバックを得ることです。
ソーシャル スタイルで対象とするのは、言動の中でも、私たちの目に見えるもの、耳に聞こえるものだけです。その人の考え、価値観、態度を問題にするものではありません。
しかし残念ながら多くの人は、相手の言動からその人の価値観や態度を推測します。それは人にとって最初に目にしたり聞いたり観察できることが言動であるからです。その言動を基に今までの経験から相手の人を評価します。私たちは若者の言動をみて「今の若者は実に軽薄で、だらしがない」とか、芸能人だから・・・・・・である、というような判断をしがちです。しかしこのような極端な一般化や分類は偏見をもたらすだけです。
ソーシャル・スタイルは人とコミュニケーションをするときに、知らないうちに相手に期待する言動です。「わたしとコミュニケーションするときは、このように振舞ってください」という暗黙のメッセージです。その結果、相手の言動が自分の期待にかなっていれば、肯定的な判断を下し、逆に期待に反している場合は、否定的な判断を下す傾向があります。そこまで極端でなくても、相手が期待に沿った言動を取らないとき、人は対人関係の緊張を高める傾向があります。